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会計・経理

経費精算SaaS比較|その立替精算に、月いくらまで払うか

社員が立て替えた交通費や備品代を、Excelと紙の領収書で精算している会社に向けた記事です。製品名を並べる前に、「そもそも別料金の経費精算SaaSが要るのか」を人数ごとの月額で決められるようにしました。料金はすべて2026年10月5日に各社の公式ページで確かめた税抜の金額です。

更新日
2026年10月5日
カテゴリ
会計・経理

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1名なら会計ソフトの話になる

経費精算SaaSが減らすのは、「立て替えた人が申請し、別の人が承認して、経理が仕訳と振込をする」という人と人の受け渡しです。個人事業主やひとり社長には受け渡す相手がいません。自分で払った領収書を撮影して保存し、仕訳に回せれば済むので、必要なのは会計ソフトの領収書読み取りと保存の機能です。個人事業主の会計ソフトは個人事業主向け会計SaaSの比較で選べます。

1名の法人が会計ソフトの法人プランを選ぶときに、経費精算に関係する違いは次の2点です。

経費精算SaaSを入れなくても、電子帳簿保存法の義務からは逃れられない点には注意が要ります。国税庁の電子帳簿保存法の概要では、所得税・法人税の帳簿書類を保存する義務がある人は、メールやWebで受け取った領収書・請求書のPDFのような「電子取引」のデータを、一定の要件のもとで電子のまま保存しなければならないとされています。2024年1月1日以後に行う電子取引では、2年前の売上高が5,000万円以下で、税務署のダウンロードの求めに応じられれば、検索要件(保存したデータを探せるようにしておく要件)は不要とされています(国税庁の一問一答の要旨)。経費精算SaaSを入れるかどうかとは別に、会計ソフトの証憑保存などで手当てしておく話です。


領収書1枚が立替者の口座に戻るまで

2人目以降の社員が立替をすると、何が増えるのか。よくある例として、営業担当がお客さま先からタクシーで戻り、紙の領収書(2,300円)を受け取った場面で、6つの工程を追います。金額と場面は説明用の例です。

  1. 撮影するExcel運用では、領収書を封筒に入れて月末に経理へ渡します。経費精算の機能があれば、スマホで撮った画像から日付と金額を読み取って(OCR)、申請の下書きができます。読み取りの方法は製品で違い、マネーフォワード クラウド経費はOCRに加えてオペレーター入力(1枚20円)を選べ、ジョブカン経費精算のAI-OCRは有料オプションです。
  2. 申請する交通費なら、乗った区間を入れると運賃が出る経路検索や、交通系ICカードの履歴読み取りが効いてきます。タクシーのように経路検索が効かない費用は、結局は領収書の金額をそのまま使います。ICカードの読み取りはマネーフォワード、ジョブカン、バクラクの公式ページに機能として載っています。
  3. 承認するここで会社の規模の違いが出ます。社長1人が全員分を見るなら承認は1段階で足ります。課長が見てから部長、のように2段以上になると、freee会計の付属機能(承認1段階まで)では足りません(付属で止まる場面)。
  4. 仕訳する「旅費交通費 2,300円/未払金」のような仕訳を、経理が会計ソフトに打ち込む工程です。会計ソフトと同じ会社の付属機能なら申請がそのまま仕訳になり、別会社の製品ならAPI連携(システムどうしが自動でデータを渡すしくみ)か、CSVファイルの書き出しと取り込みでつなぎます。CSVだと毎月の取り込み作業が残ります。
  5. 振り込む立て替えた人の口座に払い戻します。人数が増えると、ネットバンキングに1件ずつ入力するのが重くなります。銀行に一括で渡せる振込データ(FBデータ)を作る機能は、ジョブカン経費精算と弥生経費 Nextの公式ページに、振込APIはマネーフォワード クラウド経費のチームプランの機能に載っています(弥生会計 Nextの付属版で使えるかは契約前に確かめることに入れました)。
  6. 保存する紙の領収書を捨てて画像だけで保存するのは、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」で、使うかどうかは会社が選べます。使う場合は入力の期限などの要件があり(国税庁のスキャナ保存の適用要件)、受け取ってからおおむね7営業日以内に入力する方式と、最長2か月の業務処理サイクルの後、おおむね7営業日以内に入力する方式があります。訂正・削除の履歴が残るシステムで期限内の入力が確かめられれば、タイムスタンプ(その時点でデータがあり、後から書き換えられていないことを示す電子的な証明)は要らないとされています(国税庁の一問一答の要旨)。要件を満たす機能を使わないなら、紙の原本は保管し続けることになります。

6工程のうち、会計ソフトの付属機能と単体の製品で差がつくのは、3(承認の段数)、5(振込データ)、6(保存の機能がプランに含まれるか)です。4(仕訳)は、同じ会社の製品か、別会社の製品をCSVでつなぐかで手間が変わります。1・2は、どちらを選んでも大きくは変わりません。


1・3・5・10・30名の月額試算

社員全員が申請し、そのうち1人(社長など)が承認する会社を想定し、全員が毎月1回以上申請・承認する前提で計算しました。行見出しの「年払い」は、12か月分を前払いした場合の月あたりの額です。ジョブカンとinvoxは公式の表示が月額だけなので、行見出しも「月額」としました(支払いの周期は契約前に確かめることに挙げています)。

比較表1 人数別の月額(税抜・円。カッコ内は月額を人数で割った1人あたりの額)
製品・プラン 1名 3名 5名 10名 30名
会計ソフト代を含む
マネーフォワード セットプラン(年払い) 2,480 4,480
(1,493)
6,480
(1,296)
8,980
(898)
18,980
(633)
マネーフォワード セット+コーポレートプラン(電帳法機能、年払い)※1 未確認 5,080
(1,693)
7,480
(1,496)
10,980
(1,098)
24,980
(833)
freee会計 スターター+従量(年払い) 5,780※2 6,380
(2,127)
6,980
(1,396)
8,480
(848)
14,480
(483)
弥生会計 Next ベーシック+追加分(年払い) 4,200※3 4,200
(1,400)
5,000
(1,000)
7,000
(700)
15,000
(500)※4
単体の製品(会計ソフト代は別)
弥生経費 Next エキスパートエントリー(月払い)※5 2,800 2,800
(933)
2,800
(560)
2,800
(280)
12,800
(427)
Zoho Expense(年払い)※6 0 0 2,100
(420)
4,200
(420)
12,600
(420)
invox経費精算 ミニマム(月額)※7 2,280 2,880
(960)
3,480
(696)
4,980
(498)
10,980
(366)
ジョブカン経費精算(月額) 5,000 5,000
(1,667)
5,000
(1,000)
5,000
(500)
12,000
(400)
invox経費精算 ベーシック(月額) 10,100 10,700
(3,567)
11,300
(2,260)
12,800
(1,280)
18,800
(627)
freee支出管理 経費精算(基本料は年払い) 8,150 9,450
(3,150)
10,750
(2,150)
14,000
(1,400)
27,000
(900)
楽楽精算(月額)※8 30,000〜 30,000〜 30,000〜 30,000〜 30,000〜
(1,000〜)
バクラク経費精算(年間契約・12か月分一括) 30,000〜 30,000〜 30,000〜 30,000〜 30,000〜
(1,000〜)

表は「会計ソフト代を含む」4行を先に、単体の製品を10名の月額が安い順に並べました。計算式は計算式と課金される人の数え方にまとめています。

表の読み方: 「会計ソフト代を含む」の行は、差額で比べる

上の3社(マネーフォワード、freee会計、弥生会計 Next)の行は、会計ソフトの料金そのものです。会計ソフトにはどのみち払っているので、経費精算に実際に追加で払うのは、人数が増えた分の差額だけです。10名で、すでに同じ会社の会計ソフトを使っている場合の追加額は次のとおりです。

同じ10名で単体の製品を足すと、ジョブカンが月5,000円、Zoho Expenseが月4,200円、弥生経費 Nextが月2,800円、freee支出管理が月14,000円です。金額の差は、freee支出管理を除けば月数千円です。単体の製品と会計ソフトのつなぎ(工程4)がCSVの取り込みになる場合は、毎月の取り込み作業が1つ増えます。

そもそも立替が月に数件で、承認するのが社長1人なら、Excelの精算表と今の会計ソフトのまま(追加0円)でも回ります。付属機能を試す価値が出てくるのは、月末に封筒の領収書を数える作業や、振込の入力が負担になってきたときです。

最低料金が効くのは12名前後まで

ジョブカンは最低利用料金が月5,000円なので、12名(400円×12=4,800円)までは何人でも5,000円です。3名だと1人あたり1,667円、10名で500円になります。弥生経費 Nextも10IDまで定額なので、3名で使うと1人933円です。少人数の会社ほど、「1ユーザー○円」の表示額より実際の1人あたりが高くなります。逆にZoho Expenseは3名まで0円ですが、4名になった時点で有料のスタンダード(最小5ユーザー)に移るので、4名の会社でも5名分の2,100円を払う計算です。

計算式と課金される人の数え方

計算式(すべて月額・税抜):

課金される人の数え方: その月に申請・承認した人だけを数えるのは、freee会計の従量とfreee支出管理、精算を作成した人だけを数えるのはinvoxです。マネーフォワード(6人目からの追加分とコーポレートプラン)は「アクティブユーザー」課金で、その月に経費を登録・申請した人に加え、管理・承認の権限を持つ人は操作しなくても数えます。弥生経費 Nextは登録したIDの数で数えます。


会計ソフトの付属機能で止まる3つの場面

試算では付属機能が安く見えますが、次のどれかに当たると付属機能では足りません。

承認を2段以上にしたい

freee会計のスターターとスタンダードは、経費精算の承認が1段階までです。2段以上はアドバンス(年払いで月39,780円〜、従量は1人650円)からで、そこまで上げるなら単体の製品と比べたほうが早いです。マネーフォワードは基本のワークフローは全プランで使え、金額や部署で承認ルートを分ける「分岐ルール」がコーポレートプラン以上です。弥生会計 Nextの付属機能にも申請・承認があり、何段まで組めるかは契約前に確かめることの質問項目に入れました。

会計ソフトが付属機能のないプランか、別の会社の製品

弥生会計 Nextのエントリーとfreee会計のひとり法人には経費精算が付いていません。人数が増えたらプランを上げるか、単体の製品を足すかの2択です。勘定奉行やPCA会計など、経費精算を持たない会計ソフトを使っている場合も単体の製品になります。マネーフォワード クラウド経費は、自社の会計のほか、freee、弥生会計、勘定奉行、PCA会計など12種類以上の会計ソフトとの連携を公式に挙げています。

紙の領収書を捨てたい

紙の原本を捨てて画像だけで保存する(工程6のスキャナ保存)なら、付属機能が電子帳簿保存法に対応しているかを見ます。公式ページで分かった範囲は3社で違います(スキャナ保存の要件まで満たせるかは契約前に確かめることの電子帳簿保存法の項へ)。

マネーフォワードでコーポレートプランを足す場合、社長が承認者なら、申請しない月も社長の分の200円がかかります(課金される人の数え方)。紙の原本を保管し続ける運用なら、チームプランのままで困らない会社もあります。


単体の製品ごとの課金のクセ

単体の製品は、何に対して課金されるかがばらばらです。「1ユーザー月○円」だけを並べると見誤るので、課金の単位と、安いプランで欠けている機能をまとめました。表のJIIMA認証は、ソフトが電子帳簿保存法の要件を満たすことを日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証したものです。表の「未確認」は今回確かめていない項目、「記載なし」は公式ページに記載がないことを確かめた項目です。

比較表2 課金のしくみと、プランで欠けやすい機能
製品 課金される人・単位 料金の下限(初期費用・最低料金・基本料) 承認 電子帳簿保存法まわり 無料で試せる期間
ジョブカン経費精算 1ユーザー 初期0円、最低料金月5,000円 段数は未確認 「完全対応」と表記、タイムスタンプは有料 30日
弥生経費 Next(弥生の会計ソフトと連携) ID(10IDまで基本料に含む、上限は30ID) エキスパートエントリー月2,800円、初期費用は未確認 段数は未確認 電帳法チェック機能あり、JIIMA認証は未確認 記載なし(料金ページには資料請求・デモの導線のみ)
invox経費精算 当月に経費精算を作成した人 初期0円、ミニマム月1,980円/ベーシック月9,800円(どちらも+1人300円) ミニマムは承認・仕訳なし JIIMA認証は同社の別製品(下記) あり
Zoho Expense 1ユーザー 初期費用は未確認、無料プランは3ユーザーまで、有料は最小5ユーザー 多段階はスタンダード以上 未確認 14日
freee支出管理 経費精算 当月に申請・承認した人(50ID以上は600円、100ID以上は550円) 基本料月7,500円(年払い)、初期費用は未確認 ワークフロー機能付き 対応と記載、JIIMA認証は未確認 未確認
楽楽精算 従業員数とオプションで変動 月3万円〜+初期10万円 未確認 JIIMA認証(種類は未確認) 記載なし
バクラク経費精算 料金表は申込フォームから入手 月3万円〜、年間一括払い、初期費用は未確認 未確認 JIIMA認証(種類は未確認)、タイムスタンプ 試用の導線あり、条件は未確認

課金の単位は、全員が毎月申請するとは限らない会社で効いてきます。10名のうち3人が申請し社長1人が承認する月なら、使った人で数えるfreee支出管理は7,500円+650円×4人=10,100円(比較表1の10名欄は14,000円)、invoxのミニマムは精算を作成した3人分で1,980円+300円×3人=2,880円ですが、IDで数える弥生経費 Nextは2,800円のままです。

TOKIUM経費精算(月1万円〜+領収書の件数による従量、税表記は未確認)は件数課金で人数の試算に乗せられないため、比較表から外しました。SAP Concurとジンジャー経費は現行の公式料金が、kinconeは交通費以外の経費に使えるかが公式ページで分からず、同じく外しています。


30名前後から楽楽精算・バクラクも比べる

この節の分かれ目は、KOB_BLOG編集部の目安です。楽楽精算とバクラク経費精算は、5名の会社だと1人6,000円以上になり、比較表1のほかの製品と比べる理由はほとんどありません。30名で1人1,000円になって、ようやく単体の製品(366〜900円)と同じ桁に入ってきます。

楽楽精算は月3万円×12か月に初期費用10万円が乗って、1年目は少なくとも46万円です。バクラクは年間契約で12か月分を一括払いするため、契約時に少なくとも36万円が出ていきます。30名でジョブカンを1年使うと144,000円(オプションなし)です。

それでも検討に入れる理由は、比較表1の金額ではなく、経理が毎月する確認作業の量です。楽楽精算は定期区間の控除(通勤定期と重なる区間を自動で差し引く機能)を公式に挙げています。交通系ICカードの連携とAI-OCRはオプション料金です。バクラクは複数の領収書を1回で撮って分割する機能や、インボイスの登録番号の自動読み取りを挙げています。30名で月数百件の申請を経理1人が見ている会社なら、比較する製品によって月約3,000〜26,000円の差で確認の時間がどれだけ減るかを、デモで自社の申請データを使って見せてもらう価値があります。この差額は、両社の最低料金(楽楽精算は初期費用10万円を12か月でならして加算した1年目の額、バクラクは初期費用を含まない額)と比較表1の30名欄との差で、承認のないinvoxミニマムは除いています。10名以下なら、その差額は付属機能のプランを上げる方に回したほうが効きます。


法人カードで立替そのものを減らす

立替が起きるたびに精算するのではなく、社員に法人カードを持たせて立替を減らす方法もあります。カードの明細が経費精算の製品に自動で取り込まれれば、金額の入力と工程5(振込)が要らなくなります。ただし法人カードで払っても、領収書の撮影・保存と承認は残ります。

マネーフォワード クラウド経費はカード明細の自動取得をチームプランでも使えますが、「コーポレートカード連携」はコーポレートプランからです。バクラクは自社の法人カード(バクラクビジネスカード)の明細を取り込めます。freeeは、freee経費精算(freee支出管理)の月払いプランとfreeeカード Unlimitedを同時に契約して使う法人に、カードを使った月ごとに11,000ポイント(1ポイント1円、1年続けると基本料金相当の132,000円)を還元し、基本料金と初月のID料金を「実質無料」にするキャンペーンを出しています(2026年10月5日時点。公式ページには予告なく終了する場合があると書かれています)。比較表1のfreee支出管理は年払いの基本料7,500円で計算しているので、この還元の対象外です。カードを配る運用は、利用上限や私用防止の規程づくりが先に要るので、立替が月に数件しかない会社には大げさです。


契約前に確かめること


まとめ

次にやることは、先月の立替が何件あり、承認に何人が関わったかを数えることです。社長1人の承認で回っているなら、今の会計ソフトのプランに含まれる付属機能から、無料期間のうちに試します。2段以上の承認や紙の領収書の廃棄が必要だと分かったら、比較表2の単体の製品に自社の申請を何件か流して比べます。


出典

確認日: すべて2026年10月5日。表示価格は各社の公式表記どおり税抜です。キャンペーンと料金改定の予告は、この日のあとに内容が変わることがあります。


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本文と出典に載せたマネーフォワード、freee、弥生、ジョブカン、invox、Zoho、楽楽精算、バクラクへのリンクはすべて通常のリンクで、アフィリエイトリンクは含まれていません(TOKIUMとSAP Concurは名前を挙げただけで、リンクはありません)。今後どこかの会社と提携しても、それを理由に結論は変えず、提携した場合はこの欄と冒頭の表記を書き直します。